ほぼ日の学校 オンライン・クラス開講! 6月28日(木)午前11時開講!ほぼ日の学校 オンライン・クラス開講! 6月28日(木)午前11時開講!

栗コーダーカルテットさんに聞きました。「ほぼ日の学校テーマ曲」ができるまで 後篇

いよいよ始まるオンラインクラス。
その動画を彩るほぼ日の学校テーマ曲を
栗コーダーさんにお願いして
つくっていただきました。
温かくて、柔らかくて、ウィットの効いた
栗コーダーさんの音楽が、
古典を学ぶほぼ日の学校に
ぴったりだと考えたからです。
そして、できあがってきたのが、
思わず体を左右に揺らしてしまう
軽やかで楽しい曲です。
その名は「ほぼ日の学校のテーマ」。
この曲はどんな風にできたのか、
栗コーダーカルテットの
栗原さん、関島さん、川口さんに
お聞きしました。
リハーサル風景の特別映像とあわせて
お楽しみください。

栗コーダーカルテットプロフィールはこちら

[後編]メロディが生まれるとき

体を動かすと脳が活性化する?
曲づくりに案外役立つのが、
いろんな音がする雑踏。
そんな創作の裏話を聞かせていただきました。

どういう状況のときに浮かぶんですか、鼻歌は。
関島
関島
ぼくは圧倒的に歩いてるときとか、
電車に乗ってるときが多いですね。
うーん、やっぱり
「音楽が生まれる秘密」なんてありませんね。
栗原
栗原
曲は誰でも作れるのでは?
と言われていますよね。
ネットを見ると、
「誰でも作曲はできます」
みたいなことが書いてあって、
まずCとAmとかコードを並べて、
それに何か好きなメロディのせて
「ほら、できあがり」とかね。
実際、曲を作るのって、
難しいことじゃないんじゃないですか。
でも、それこそ
「どこかで聴いたメロディ」ですよね。
そうではなくてオリジナルなもの、
たとえば学校テーマ曲のはじまりは
どうやってできたんですか?
関島
関島
つるっと出てくるんですよ。
たとえばそこにある棚にはどんな音が似合うかな、とか、
このコップにはどんな音が似合うかなーとか、
ぼくは、普段から
そういうことを考えるのが好きでして‥‥。
そういう感じで、自分の中で
「古典だったらこうかな」
「学校だったらこうだろう」
という関連づけで、できた曲かもしれません。
ただ、それは言語化された
理論的なものじゃなくて、
自分勝手なものです。
他の人から見たら、
「全然違う」って言われるかもしれません。
日頃から、
そんなことやっていらっしゃるんですね。
関島
関島
やっているというより、
自然にそういう風にしちゃうことが多いです。
頭の中には常にいろんな音が流れてるんですか?
関島
関島
いや、そんな大げさなもんじゃなくて、
歩きながら鼻歌うたようなもんです(笑)。
そんなもんだと思っていただければ。
川口
川口
雑踏とか、わりといいんですよ。
まわりから音楽が何となく聞こえてくるのが、
頭の中で勝手に変換されたりするんで、
いい具合に曲を思いついちゃうことがあります。
きっかけがあれば、あとはその人なりの方法で
どんどん曲を作っていくというのはありますね。
栗原
栗原
ああ、それあるね。
川口
川口
だから家で作るよりも、
どっかで何か聞こえてきた方が
浮かびやすいってことはありますね。
関島
関島
歩いてたり、体動かしている方が
脳が活性化する感じはありますね。
きっかけのフレーズが浮かんだら
メモしたりするんですか?
関島
関島
あんまりしないですね。
忘れちゃうようなやつは大したことないんですよ。
栗原
栗原
ぼくはかなりメモか、
ICレコーダーで記録しますね。
iPhoneのボイスメモをよく使います。
忘れっぽいし、メモしとかないと不安な方なので、
小さな五線紙を‥‥。
川口
川口
これ、なかなか見た目もいいよ。
栗原
栗原
最近ねぇ、ちっちゃい五線紙が売ってまして。
見せるほどのもんじゃないですけど。
あ、メロディが書いてある。
栗原
栗原
家でメモ見て音を出して捨てるんですが、
何か残っているかな?
あ、あった。
「火星 さやか」‥‥。
「火星さやか」?
栗原
栗原
ついこの間まで作ってたお芝居です。
正しいタイトルは「火星の二人」
(主演:竹中直人、生瀬勝久)。
(メモをみて)ああ最初、
キーはDだったんだなぁ。



曲作りの話に戻ると、
「いま、これを作る」となると、
頭の中がそのことばっかりになって、
支配されるんです。
そういう状態になっていると、
歩いているときとかに、ふと、
「これがヒントになるのかな」
というフレーズがでてくるんです。
川口
川口
モチーフになるものがでてくれば、
あとはなんとかなりますね。
栗原
栗原
曲の最初から最後まで
ぜんぶ同時に出てくるタイプの人も
いるようですが、
関島さんなんかそっちですよね。
関島
関島
そうですね。
うーん、時によりますね。
栗原
栗原
ぼくはCMを多くやっていたせいか、
瞬間に〝つかむ〟ということを
要求されることが多かったので、
その「つかむ」部分さえでてくれば、
あとは落ち着いて、じっくり
その先を考えるようなことが多いですね。
発展のさせ方には
技術が必要なんだと思いますが、
うまくいったり、いかなかったりしています(笑)。
川口
川口
ぼくの場合、たとえば「羊どろぼう。」
(注・糸井の著書『羊どろぼう』のために、
オリジナル曲を作っていただきました)だと、
まずギターのアルペジオ
(注・和音を順番に弾く奏法)をまず入れて、
繰り返し聞きながら、
その場で頭に浮かんだメロディを録音して、
それを聴きながら清書して、楽器を吹き直して、
次の楽器は何いれようかなという感じで、
ほぼ何も浮かんでいない状態から
ひとつひとつ丁寧に考えて加えて‥‥、
という風にやって、最終的な構成や裏メロディは
才能ある人々(栗原さんと関島さん)に任せて
という感じでしたね。
関島
関島
栗コーダーの場合、
3人それぞれ作り方も作風も違うので、
やっていて自分たちもおもしろいし、
聴いている人にとっても
幅が広くみえるんじゃないかなと思います。
「羊どろぼう。」のときは、
当時4人だったので、それぞれ案をだして
糸井さんに選んでもらったんですけど、
みんなぜんぜん違ったんで、びっくりしましたね。
栗原
栗原
違ったね。
川口
川口
びっくりしたね。
意見があわないってこと、あるんですか?
関島
関島
あわないですよ(笑)。
でもそれをすりあわせて、中間をとることによって
バランスをとるところがあります。
みんなの意見をあわせることによって、
バンドの曲になっていくんでしょうね。
川口
川口
長くやっているとお互いわかっているので、
きっとこんな風にやってくれるだろうから、
あとは任せる、ってこともあります。
自分だけで考えると幅が狭くなるので、
任せちゃった方がおもしろくなります。
なるほど。
貴重なお話の数々、ありがとうございました。
こうしてオンライン授業と一緒になってみて、
曲の仕上がりはいかがですか?
川口
川口
いい感じですね。
久しぶりに聴いたら
抜けがよくて良かったです。
関島
関島
いいですね。
映像とあわさって、
やっと完成した感じがします。
栗原
栗原
ほんと、そうですね。
つくってるときはわからないんですよ。
もちろんベストは尽くすので、
「ここで完成した」っていう
ポイントはあるんですけど、
本当に良いかどうかはまだわからない。
いま、時間をおいて客観視できて、
改めて良かったと思います。
安心しました。
いい曲を作っていただき、
本当にありがとうございました。

(終わり)

2018-06-16-SAT

オンライン・クラスとは?

ほぼ日の学校 オンライン・クラスは、
古典を学ぶ「ほぼ日の学校」の講義を
編集映像や講義録でおたのしみいただく
有料ウェブサービスです。

●お申込み

ほぼ日の学校 オンライン・クラスのお申込みは
2018年6月28日(木)午前11時から開始予定です。

●料金

5,400円(税込み)

●有効期間

ご登録いただいた日から1年です。

(1年経つと、会員登録は自動更新されます。)

●内容

視聴いただけるオンライン・クラスの動画は、2種類。

授業の見どころを短くまとめた [ 15分 ] 動画と、
授業全体をじっくりとたのしめる [ 120分 ] 動画です。

[ 15分 ] は、2時間半の授業を要点に絞り短く編集しました。

短い時間に内容を深く理解していただくために、
授業を補足するテロップなどの説明が画面に入ります。

[ 120分 ] は、著作権の関係でオンラインに載せられない
映像・音声作品をのぞいた、授業全体を収めています。

こちらはテロップなどの文字説明はないのですが、
授業の概要を文字にまとめた
「講義録」といっしょに楽しんでいただけます。

サービス開始時には、下記の動画がご覧いただけます。

ほぼ日の学校スペシャル
「ごくごくのむ古典」

・講演 「古典ひろいぐい」橋本治さん(作家)
・トークセッション

「シェイクスピアをベンチャーする」

村口和孝さん(ベンチャー・キャピタリスト)・

藤野英人さん(投資家)・糸井重里(ほぼ日)・

河野通和(ほぼ日の学校長)

シェイクスピア講座2018

・第1回 木村龍之介さん(演出家)

「シェイクスピア全作品と出会う」
・第2回 河合祥一郎さん(シェイクスピア研究者)

「シェイクスピアの謎」
・第3回 河合祥一郎さん(シェイクスピア研究者)

「シェイクスピアとその時代」
・第4回 橋本治さん(作家)

「シェイクスピアの本質を味わう」

シェイクスピア講座2018の第5回以降の講義

これからはじまる

歌舞伎講座、万葉集講座なども

続々登場予定です。どうぞおたのしみに!