「やっぱりシェイクスピアは
原文で読みたいね」
角野栄子さん 作家
シェイクスピアの言葉のリズムについての
講義を楽しく拝見しました。
シェイクスピアの時代、
ろうそくのほのかな灯りの舞台でも
状況がよくわかって、
観客が芝居に没入できるように、
説明のセリフが長かったと
私は理解しています。
そして、観客を飽きさせないために、
リズムのあるセリフが書かれたのでは
ないでしょうか。
シェイクスピアはそういうことを
心得て書いていたと思うのです。
それは今も変わることなく、
リズムは音で、音には形がある。
リズムのある言葉を受け取ると
情景が浮かぶのです。
そんな言葉のおもしろさに気づかせてくれる
講義として、とてもおもしろいと思いました。
オンライン授業なので、
生活のなかで見ることができる。
日常に引き寄せられる楽しさもあって
いいと思います。
言葉にリズムがあることを学んだら、
必ずしもシェイクスピアじゃなくても、
好きな本を声を出して読んでみると
いいと思います。
自分の体からでてくるリズムで読んでみる。
そんなきっかけにもなると思います。
私自身、作品を書くときは、
何度も声に出して読み上げます。
音が加わると、
書いている世界が風景として
立ち上がってくるから。
言葉というと、
意味ばかり強調されがちだけれど、
言葉は風景であり、
物語には音楽的構成があるんです。
そういうことを改めて考えました。
やっぱりシェイクスピアは原文で読みたいね。
そう思いました。難しいけれど。
他の講義も見てみたいですね。
私も入学しようかしら(笑)。
「なにかをつかむ
きっかけをくれる気がします」
萬納嶺さん 青山表参道・山陽堂書店ギャラリー担当
静と動でいえば、
ぼくは「動」で生きてきたように思います。
ずっとサッカーをやっているので、
スポーツのような、目に見えてわかりやすいものを
追い求めてきました。
大学では社会学を専攻しましたが、
勉強はあんまりしないで遊んだり旅したり、
好きなことばかりやっていました。
友だちに恵まれて、
楽しくて仕方ない大学生活でしたが、
大人になって、
「もっと勉強しておけば良かった」という、
後悔と反省が入り交じった気持ちになっています。
とくに家業の書店の仕事をするようになって、
「知のある大人」のかっこ良さがわかるようになり、
そんな大人にあこがれるようになりました。
でも、自分には足りないことだらけだし、
何をどう勉強すればいいかも模索中です。
そんな自分に足りない「知」を、
オンライン授業を通して獲得できたら、
大きな自信になるし、
より良く生きていける気がします。
わずか15分の授業を見るのに、
こんなにエネルギーがいるなんて驚きでした。
大学の授業は、今思うともったいないことですが、
ぼーっと聞いていました。
でも、このオンライン授業は、
画面を通してであるにもかかわらず、
講師の圧倒的なエネルギーが伝わってきて、
こちらも真剣に聞きたいなと思いました。
言ってみれば、大学の授業は
イスにゆったり座って聞きましたが、
これは前のめりになって、
ずっと考えながら聞く感じです。
講師の先生がこんなに愛して、
こんなに熱く語っているものは
何なんだろう。
それを知りたいと強く思いました。
1回見ただけでは足りない気分です。
自分で本を読んで、
作品について理解してから、
また見直したいと思います。
そうやって咀嚼したら、
きっと自分の成長も実感できるでしょうね。
ぼくと同じ世代の人で、
迷いを抱えている人はたくさんいるでしょう。
これからどうしようと考えている人は
少なくないと思います。そんな人に、
古典を学ぶ「ほぼ日の学校」の授業は、
何かをつかむきっかけをくれるような気がします。
この授業が多くの人に届くことを願います。
「あぁなるほど。おもしろいな」
成毛真さん 実業家・書評サイトHONZ代表
いいじゃないですか!
古典を学ぶ大人の学校は他に見当たらないから。
ほぼ日の学校、いいと思いますよ。
オンラインクラスの授業を2つ
見せてもらいましたが、
アカデミックな知識云々よりも、
とにかく知らない話がたくさんでてくるから、
「あぁなるほど。おもしろいな」というのが実感です。
たとえば、シェイクスピアのセリフに
リズムがあり、音楽があるというくだりなど、
私は歌舞伎が好きなので、
歌舞伎の言葉のリズムと重ねながら聞きました。
河竹黙阿弥や鶴屋南北のいわゆる名台詞。
あれは、七五調のシンコペーションなんです。
たりらりらりらり らりられら
(よっ)たりらりらりらり らりられら
(はっ)たりらりらりらり らりられら
みたいに、間が入るわけですね。
(ん)知らざあいってきかせやしょう。
という風に、(ん)の間が入る。
シェイクスピアの言葉のリズムと歌舞伎のリズム。
似ていて違っていて、違っていて似ている。
おもしろいですよね。
それにしても、大学の外なのに、
大学の先生が先生としてそのまま登場する。
演出家が演出家として、
そのまま登壇する。
価値の高い授業だと思います。